職場で発症する病気の一つにうつ病があります。日本人の15人に1人はうつ病ともいわれていますが、職場で働く人たちでも20人に1人はいるともいわれているのです。
職場でのうつ病発症は従来のピラミッド構造がくずれたことによるものが大きいとされ、中間管理職が少なくなったことで直属の部下が増えたことや、従業員の連帯感が薄くなったことなどがあげられます。また、成果主義主導で数字が重要視され、企業は短期的に物事を考えるようになったため、職場は常に落ち着きのない状態となったのです。
また、症状として意欲が低下するというものがあるため、周囲の誤解を招いたりして周囲にも戸惑いが生じやすくなっています。例えば、一緒に仕事をするメンバーがうつ病になったことで、休みがちなので自分の業務が増え、ほかのメンバーまでもが体調を崩し始めたりすると不安を抱くものです。
こうしたことは、チーム内で抱え込まないのが大事で、労働安全衛生法上の問題なので、会社批判で済ませずに上司や人事に会社として対応してもらうようにしましょう。メンタルヘルスは組合とし会社が強調して取り組む企業も多いので、組合にも伝えるといいでしょう。とはいえ、中小企業には対応する余裕がないケースもおおいので、限界を超える分は手伝わないなどの割り切りも必要になります。また、うつ病の人に気遣ううちに疲れてしまい、自分自身のストレスとのたたかいになる人もいますが、何かあったら相談に乗るという状況は保ちつつ、こちらからは働きかけないという穏やかな無関心で過ごすことが得策なのではないかと思います。