病気を治すといえば、すぐ薬と考えがちです。しかし、薬よりも大切なのは自然治癒力。病気は薬で治るのではありません。薬で自然治癒力を高めて治しているのです。
ヨガのポーズを行っているとき、「意識の集中」は病気を治す力、すなわち自然治癒力を高めるために非常に効果的だと言われています。快く緊張する一点に心を向けていると、脳波がアルファ波になります。このアルファ波は、私たちの心や体の働きが最も自然な状態になったときに出る脳波なのです。ですからアルファ波が出ることは、私たちの心と体を結ぶ自律神経や、ホルモンなどのホメオスターシス(恒常性)の働きが最も自然になり、自然治癒力も高まることになります。
私たちの日常生活は絶えず外部より、あらゆる情報が刺激となって心を乱します。そのために私たちの自然治癒力は、どんどん低下しています。しかし、一点に意識を集中させるヨガのポーズの実習によって、外部からの刺激をすべてカットして自分の内なるものに心を向けることで、本来持っている力をよみがえらせることができるのです。心を一点に集中させると、精神集中による心の安らぎとともに、体の中からにじみ出る健康的な輝きが、よりいっそう自分の美しさを引き立てることになります。
ヨガのポーズが決まったら動きを静止して、皮膚感覚の微妙な変化や、体の内部に起こるわずかな変化に目を向けていると、雑念も消えて、「心の飢え」をつくり出していた原因がポッカリと浮かび上がってきます。その瞬間、日常生活の緊張感や束縛から解放されて、本来の健やかな美しさをよみがえらせます。自然治癒力を蓄えれば、見た目も中身も健康的にします。日頃余裕がない方は、ぜひヨガをしてみてはいかがでしょう。